マーケティングミックスで戦術を立てよう!3つのやり方と事例を解説【ステップ3】

マーケティング【ステップ3】

どうも、マケズキです。

好きな仕事の稼ぐ方向性(コンセプト)は決まっているけど、具体的にどうやってサービスを提供していけばいいの?
そもそもサービス(商品)の作り方さえわからん……。

ステップ1・2で解説した「リサーチ」や「差別化」によって提供したいサービスが見える場合もありますが、ほとんどの方はぼやっと見えている程度でしょう。

マケズキ

これまではあくまで方向性を決めただけ!「戦術」は別物だからね!

 

あなたが見つけた「独自性」を生かしたサービス(商品)を提供したいなら、マーケティングミックスを採用すべきです。

マーケティングミックスを使えば、あなたが提供すべき商品を簡単に具現化できます。

しっかりとポジショニングを確立した上で行えば、顧客ニーズからズレることもないので、あとになって「売れない……」という悲劇が起こりにくくなるのです。

 

仮に、リサーチや差別化の段階で提供したいサービスが見えていても、マーケティングミックスを使って再度チェックしておくべきです。

 

この記事では【ステップ3】としてマーケティングミックス(4C・4P・モデリング)で戦術を立てるポイントと事例について詳しく解説していきます。

 

マーケティング戦略における「戦術」=マーケティングミックス

マーケティング戦略において「戦術を立てる」ときはマーケティングミックスを使います。

マーケティングミックスとは、簡単に言うと「サービス(商品)を提供するために必要な要素を一つずつ決めていくこと」を意味します。

マーケティングミックスは、マーケティング戦略において、望ましい反応を市場から引き出すために、マーケティング・ツールを組み合わせることである。(中略)製品計画、パッケージング、価格、ブランディング、流通経路、物的流通、人的販売の量と質、サービス、販売促進の他の手段の量と質、市場調査情報の種類と質、陳列を含めた広告の量と質をマーケティング・ミックスの要素として挙げた。

引用元:wikipedia「マーケティングミックス

データ解析

確かに、これまで別ステップで解説してきた「リサーチ」や「差別化」も重要です。

しかし、これらはあくまで「コンセプト(価値の源)」を決めただけであって、「サービス(価値そのもの)」を決めたわけではありません。

好きな仕事でお金を稼いでいくには「価値そのものを提供=サービス(商品)を提供」しなければ何も始まりませんよね。

 

サッカーに例えるなら、リサーチや差別化は「パス回し中心で攻める」か「個人技中心で攻める」かというチームの方針を決めていくこと。

対して、戦術(=マーケティングミックス)は「誰を使うか」や「いつ交代させるか」、「誰にボールをつなぐか」といった具体的な決め事をするイメージです。

具体的な部分が決まってないと、試合をすること自体不可能ですよね?

 

ですから、「マーケティングミックス」を使って、あなたが提供すべきサービス(商品)を具体的に決めていく必要があるのです。

次の章から、実際にマーケティングミックスの3つのやり方と事例を解説していきます。

マーケティングミックスの3つのやり方

  • 4P
  • 4C
  • モデリング

 

マーケティングミックスの「4P」とは?

「4P」はマーケティングミックスの代表となる考え方です。

アメリカの学者であるマッカーシーが提唱したもので、マーケティング業界でもっとも有名なコトラーも「マーケティング1.0」と称して使用しています。

 

4Pは基本的に「売り手側(あなた)」の視点に立ち、以下の4つのPの観点から提供するサービス(商品)を考えます。

4Pの構成要素

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Promotion(販売促進)
  • Place(流通)
Product(製品)
主に製品の「特徴、品質、デザイン、ブランド、パッケージ、保証、アフターサービス」などを指します。

STP分析でターゲティングした顧客に対して、最大限価値提供できるサービスや製品を上記の観点から考えてみてください。

例えば、【ステップ0】の記事ですでに紹介している「スタジオアリス」は、ターゲティングした「こどものいる家族」に対して際で威厳の価値提供ができるよう、記念写真の撮影から購入までに付随する様々なプロセス(体験)を売りにしています。

500着もの貸衣装を用意したり、おもちゃで子供をあやすということも商品の一つとしています。

Price(価格)
主にサービスの価格関連(希望価格、卸売価格、割引、送料、支払い方法、支払い条件など)を指します。

ターゲットにとって「ストレスのない or 価値を高める」価格設定や支払い方法を決めましょう。

例えば、スタジオアリスでは、各店に500着ずつ用意のある貸衣装の着付やヘアセットも含めて無料にしたり撮影料金は何カット撮っても定額にしたりしています。

ターゲット(こどもがいる家族)が最も価値を感じるような価格設定を行なっている良い事例です。

Promotion(販売促進)
主にサービスを知ってもらう方法(広告宣伝、広報活動、PR活動、営業など)を指します。

あなたのサービスをターゲットに効率的に届けるにはどのような方法が適しているかを考えてみましょう。

例えば、スタジオアリスではママ友同士の口コミを誘発するような仕組みを作っています。次回来店を促すクーポンを配布したり、FacebookやLINE、TwitterなどのSNSでキャンペーン情報や写真の撮り方といった情報を発信しています。

主なターゲットとなる「こどものいるママ」が喜ぶような宣伝方法をしっかり取っていますよね。

Place(流通)
主にサービスの届け方(流通範囲、立地、品揃え、在庫、店頭、配送、通販、生産方法など)を指します。

あなたのサービスをターゲットの手に取ってもらいやすくするにはどのような方法が最適か考えてみましょう。

例えば、スタジオアリスでは大型商業施設内をメインに出店しています。また、こどもが訪れやすいトイザらスとの提携することで立ち寄りやすくする工夫もしています。

ターゲットが「よく通る場所」や「よく目を通す場所」など「ターゲットの出現率が高い場所」を見極めることが重要です。

このように、まずは「売り手側(あなた)」の視点から、4Pを元に「ターゲットにとって価値の高いサービス」を考えてみましょう。

【番外】「7P」とは?

ちなみに、4Pに以下の3つの要素を加えた「7P」も存在します。

Personnel(人・要員)
サービスに関わるすべての人員や協力会社。これらとの関係が悪ければ、質の高いサービスは適用できない。
Process(業務プロセス)
サービスを提供するまでの流れを決める。Promotion(販売促進)をさらに深掘りして具体的な手順を決めるイメージ。
Physical Evidence(物的証拠)
サービスの安全や安心の保証と証拠を提示する方法を決める。「お客様の声」や「返金保証」などがこれにあたる。

4Pに加えて、さらに深掘りしてサービスを考えたい場合は、活用してみてください。

 

マーケティングミックスの「4C」とは?

マーケティングミックスの「4C」とは、4Pと違って「買い手側(消費者)の視点に立ってサービスを決めようよ」という考え方です。

コトラーはこれを「マーケティング2.0」と称し、4Pより次元が一つ高いマーケティングと捉えています。

4Cの構成要素

  • Consumer(消費者のニーズやウォンツ)
  • Customer cost(顧客コスト)
  • Communication(コミュニケーション)
  • Convenience(利便性)

上記は「売り手思考」の4Pを「買い手思考」に考え直したものなので、4Pと4Cは対応関係にあると言えます。

その上で考えると理解が深まります。

Consumer(消費者のニーズやウォンツ)
主にターゲットが製品やサービスを通して得られる「価値そのもの」を考えることを指します。

製品ありきではなく、ターゲットが望んでいるものを叶えてあげられるサービス作りを意識するということですね。マーケットインの考え方に似ています。

例えば、スタジオアリスが貸衣装を500着も容姿しているのは、「せっかくの記念写真だからかわいい衣装で撮りたい。けど買うお金はない……」という顧客の悩みやニーズを考えて提供されているサービスと言えます。

「サービスを通して顧客は感情的に何を得たいのか?」を考えると良い案が浮かんできます。

Customer cost(顧客コスト)
主にターゲットがサービスを得るまでに「トータルでどのくらいのコストがかかるのか?」を考えます。

コストというのは、何も「金銭面」だけでなく、そのサービスを手にするまでの「移動時間」や「手間(労力)」なども含まれます。

スタジオアリスが「貸衣装の着付やヘアセットも含めて無料」にしているのは、顧客が写真を手にするまでのコスト(お金、着付けやヘアセットを他で済ませる手間など)を最小限に抑えたいという思いからです。

どうすれば顧客が「ラクに・ストレスなく・喜んで」サービスを利用してくれるのかを考えることが重要です。

Communication(コミュニケーション)
主に顧客と「どのように接点を持ち続けるか?」を考えます。

長く稼ぎ続けたいなら、顧客とコミュニケーションをとり、こちらのコンセプトやサービスを伝え続けることが不可欠ですよね。

スタジオアリスでは顧客と密にコミュニケーションを取るために「ポケットアリス」といった会員登録型のコンテンツを用意したり、FacebookやTwitterでキャンペーン情報を発信する工夫をしています。

顧客が売り手側と接点を持ちやすくすることは、顧客を長くつなぎとめておくために必要です。

Convenience(利便性)
主に「利便性が高いか?=どうやったら顧客が製品やサービスを入手しやすいか?」を考えます。

気軽に使ってもらいたいサービスなのに入手しにくかったら、売れるものも売れませんよね。

スタジオアリスの場合は「こども連れの家族に気軽に立ち寄ってもらえるには?」と考えた末に「大型商業施設内」をメインに出店しています。トイザらすと提携したのもそのためです。

場所だけでなく、入手するまでの時間も含めて考えると良い案が浮かんでくるでしょう。

マーケットインの考え方が最も成功しやすいことからも、顧客思考でサービスを考える「4C」は必ず取り入れたい考え方です。

【番外】日本にはまた別の「4C」がある!

上記の4C以外にも、日本の経済学者である清水公一氏が「共生マーケティング」として唱えた以下の4Cも存在します。

日本の「4C」

  • Commodity(共生商品)
  • Constare(共に立ち上がって犠牲を払う)
  • Channel(流通経路)
  • Communication(意味を共有する)

簡単に言うと、既存の4C(顧客志向)に売り手側のメリットも考慮した「共生志向」も取り入れた概念です。

マケズキ

言ったら「お客さまに良いサービスを届ける僕が長く生きられるように、僕のメリットも追求させてもらうね!」ってこと!

「共に生きるマーケティング」という高い次元の概念なので、コトラーさんは「マーケティング3.0」と呼んでいます。

参考記事
wikipedia「共生マーティング

 

マーケティングミックスの「モデリング」とは?

マーケティングミックスモデリング(以下、MMM)とは、競合がすでに算出しているデータ(売上、客数、契約数など)を元に、自分のビジネスの売上とマーケティング施策を統計的にモデル化する作業です。

僕たちは何かを始めたり習ったりするときに「お手本」の真似をしますよね。

MMMで設定した「お手本」を元に、成功率の高い施策を考えるのが、ビジネスの成功にはとても重要です。

マケズキ

僕も新しくブログを作る時なんかは「◯◯万円稼いでいるあの競合の真似しよう」ってモデリングしてるよ!

アナリティクス解析

ブロガーを例に出すなら、すでに同じ業界で稼いでいるブロガーの以下のデータを集めてモデリングしたりします。

モデリングデータの事例

  • 売上
  • PV数(ページビュー。何ページ読まれているか?)
  • ユーザー数(何人訪問しているか?)
  • 扱っている商品(広告案件か?独自の商品か?)
  • 商品の価格(広告案件の場合は報酬がいくらか?)
  • 広告費用

上記のデータを集めて、真似できるところは真似し、改良が必要なところは自分の独自性に合わせて改良する。

モデリングを行えば、自分の独自性を出しながら成功パターンを採用できるので稼ぎやすくなるのです。

 

上記の事例を見て気づいたかもしれませんが、精度の高いモデリングに行うには【ステップ1】で十分にリサーチできているかにかかっています。

リサーチが、具体的な施策を考えるこの場面でも重要になってくるということですね。ほんと、リサーチが命!

 

4Pや4Cの考え方を先に学んでおけば、さらに精度の高いモデリングを行うことができます。

 

【まとめ】マーケティングミックスで具体的な戦術を立てよう!

マーケティングミックスの考え方を使って、あなたのサービスをしっかり具現化しましょう。

リサーチや差別化で「コンセプト(独自性)」を決めるのも大事ですが、そのコンセプトを届ける具体的な「戦術」を立てなければ何も始まりませんからね。

 

マーケティングミックス(=戦術)のやり方として、事例とともに以下の3つを紹介しました。

マーケティングミックスの3つのやり方

  • 4P(もしくは7P)
  • 4C(+日本の4C)
  • モデリング

具体的な内容についてまだ理解が足りないと思う人は、当記事をもう一度チェックしておいてください。

 

次回は最終回となる【ステップ4】の「実行」について具体的な方法を解説していきます。

 

「リサーチ〜戦術」まで行ったあなたは、ターゲットに提供すべき独自のサービス(商品)が決まっているはずです。

しかし、今の段階ではやることが”決まった”だけで、まだ何も価値を提供していません。

立てた「戦術」を「実行」して、実際に世の中に価値を広めていく必要があります。

サッカーで言えば、今まではホワイトボードでの「作戦会議」。これからいよいよ「試合」です。

 

とは言え、試合の途中でトラブルはつきもので、都度正確な判断を下していく姿勢が重要です。

そこで登場するが「PDCAサイクル」

あなたが好きな仕事で長く稼げるよう、観察と改善を繰り返してビジネスを成長させていきます。

 

この記事を参考に差別化を終えたら、最終ステップの「実行」に進みましょう!

>>【ステップ4】マーケティング戦略におけるPDCAとは?好きな仕事を実行しよう!